「診療報酬ってなに?」「診療報酬改定って自分に関係あるの?」
医療機関で働いていると、そうした言葉を一度は耳にするのではないでしょうか。
病院やクリニックで働くと、必ず関わるのが「診療報酬制度」。とくに、医療ソーシャルワーカー(MSW)や医療事務として働くなら、制度の基本を押さえておくことがとても重要です。
本記事では、福祉職や医療機関に関わる仕事を目指す方に向けて、診療報酬改定についての基礎知識をやさしく解説します。MSWに関係するポイントにも触れていますので、就職や転職を考えている方にもおすすめです。
診療報酬とは?
診療報酬とは、病院や診療所などの医療機関が、**保険診療を行った際に保険者(健康保険組合や協会けんぽなど)から受け取る報酬(=お金)**のことです。
医療サービスごとに点数が決められており、この点数に基づいて診療報酬が計算されます。
改定のタイミングは?
診療報酬改定は2年に1回、偶数年(例:2024年、2026年)に実施されます。
改定内容には、国が今後力を入れたいと考えている方針や医療制度改革の意図が反映されるため、現場で働く人にとっても注目すべきタイミングです。
📌 前回の診療報酬改定:2024年6月
📌 次回の診療報酬改定:2026年予定
💡ちなみに、介護報酬の改定は3年に1回です。診療報酬とは改定サイクルが異なるので、混同しないようにしましょう。
医療事務と診療報酬の関係
診療報酬に関する専門知識を多く求められる職種の一つに「医療事務」があります。
医療事務は資格がなくても働けますが、実務では医療保険制度や診療報酬請求の知識が必要とされます。
医療事務の資格例
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
… 受験者が多く、初めての資格取得にもおすすめ。合格率は60~80%程度。 - 診療報酬請求事務能力認定試験
… 難易度はやや高めだが、実力が問われる資格として評価されやすい。
いずれも通信教育や独学での取得も可能です。
また、これらの資格学習を通して、医療保険制度や介護保険制度などの基礎知識も身につくため、医療ソーシャルワーカー(MSW)などの他職種にとっても役立つ内容です。
MSWと診療報酬制度のつながりは?
医療ソーシャルワーカー(MSW)の業務は、診療報酬の中で直接評価されることは多くありません。
しかし、以下のような形で診療報酬制度と関わる場面もあります。
MSWに関係する診療報酬の例
- 社会福祉士の配置による施設基準の充足
- 患者や家族に対する指導で、指導料が算定されるケース
- チーム医療の一員としての介入や支援の記録が重要視される
一方で、MSWの多くの支援活動は報酬として明確に評価されるわけではありません。
しかし、患者・家族と医療スタッフの「橋渡し役」として、医療機関にとって欠かせない存在であることに変わりはありません。
まとめ
診療報酬改定は、医療制度の方向性を示す大切なタイミングです。
医療ソーシャルワーカー(MSW)や医療事務をはじめ、医療機関に関わるすべての職種にとって無関係な話ではありません。
特に福祉系の職種に興味がある方は、診療報酬制度の基本的な仕組みを知っておくことで、より現場理解が深まり、働き方の選択肢も広がるでしょう。
制度改定をきっかけに、自分の知識やスキルを見直してみてはいかがでしょうか?
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