現場の実情と収入アップのポイントを解説
MSW(医療ソーシャルワーカー)は、医療現場で患者さんやご家族の支援を行う、やりがいのある専門職です。
一方で、福祉職のなかでは「収入面はどうなんだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、厚生労働省の統計や実際の求人情報、私自身の現場経験も踏まえながら、MSWのリアルな年収事情と、年収を上げるために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
MSWの平均年収はどれくらい?
厚生労働省の統計によると
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「Job Tag(じょぶたぐ)」では、医療ソーシャルワーカーが含まれる職業分類における全国平均年収が**441万円(令和6年時点)**とされています。
ただし、この統計は「その他の福祉・介護の専門的職業」として、MSW以外の職種も含まれています。そのため、実際の医療ソーシャルワーカー単体で見ると、もう少し低い水準と考えたほうが現実的かもしれません。
求人情報ベースでは約364万円が平均
求人サイト「Indeed」で2025年5月時点の募集内容を調査したところ、全国の医療ソーシャルワーカーの求人における平均年収は約364万円でした。
実際に募集されている求人では、300万〜400万円の範囲が多く、地域や経験によって差が出る傾向があります。
年収はどんな要因で変わる?
MSWの年収は、さまざまな要素によって変動します。ここでは、影響を与える代表的な要因を紹介します。
働く地域によって年収に差がある
地域差は年収に大きく関わってきます。たとえば、東京都では平均524.5万円(Job Tagによる)と高い水準ですが、地方では300万円台前半というケースも珍しくありません。
地価や生活費に比例して給与水準も上下する傾向があります。
実務経験の有無で大きく変わる
求人票には最低金額が記載されていることが多いですが、面接や経歴書によっては経験が評価され、上積みされる場合があります。
特に、以下のような経験が評価されやすい傾向があります。
- 医療機関での相談援助経験
- 介護施設・行政等でのケースワーク経験
- 多職種連携や在宅支援の実績 など
資格の有無で手当がつくことも
社会福祉士や精神保健福祉士など、国家資格を所有していると、資格手当が支給される場合があります。
月数千円〜1万円以上の手当がつくこともあり、年収にすると大きな差になることもあります。
役職の有無でも収入が変わる
係長や主任、室長などの役職がつけば、役職手当によって年収がアップします。とくに中堅〜ベテランの方は、キャリアアップによって待遇改善を目指すことも現実的です。
病院の規模や体制による違いも
小規模病院では1人配置も多い
病床数の少ない医療機関では、MSWが1人配置という体制も少なくありません。
業務が広範囲にわたり、責任が重くなりやすいですが、その分、経験が積みやすいという面もあります。
大規模病院ではチーム体制が一般的
一方、大学病院や国公立病院などの大病院では、複数人のMSWが配置されていることが多く、新卒採用も行われています。
役割分担が明確で教育体制も整っているため、働きやすさを重視する方にはおすすめの環境です。
年収アップのために意識したいこと
MSWとして働くうえで、年収アップを目指すために意識したいポイントを紹介します。
資格取得で専門性を高める
資格は専門職としての知識やスキルの証明になります。社会福祉士や精神保健福祉士のほか、医療現場で役立つ資格を取得することで、評価や待遇に差が出る可能性があります。
「自分のための勉強」が「将来の収入アップ」につながると考えると、日々の努力も前向きに取り組めますね。
自分の経験をどう活かすか考える
今までの仕事で培った経験を、どのように現場に還元できるかを整理しておくと、転職活動や面接時にも強みになります。
医療福祉分野に限らず、介護や行政、教育や営業現場などでの経験が活きる場面も多くあります。
まとめ|医療ソーシャルワーカーの年収は工夫次第で伸ばせる
医療ソーシャルワーカーの年収は、一般的には300万〜400万円台が多いですが、
経験や地域、役職、資格の有無などによって大きく変わります。
キャリアアップやスキル向上に取り組むことで、より良い条件で働くことも十分に可能です。
「自分らしく働きながら、収入面でも納得したい」そんな方にとって、MSWは成長のチャンスがある仕事です。
興味を持った方は、まず自分の経験や強みを整理するところから始めてみましょう。
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